いしかり農産物エキスパート養成事業

• 2024/04/19　22:25

カフェ ガルさんを後にし、バスは浜益区幌（ぽろ）地区へ。
この付近は、日本海の暖流の影響で周辺地域に比べ温暖なため、明治時代から果物の栽培が盛んで、いまでは石狩市内で唯一の果樹園が見られます。




明治時代より続く さくらんぼの善盛園さんへお邪魔させていただきました
さくらんぼ狩りのシーズン真っ只中でお忙しい中、お世話になります


園主の渡辺さんにご挨拶をし、早速さくらんぼについてお話を伺います。

 

「たくさんあるので、遠慮なくつまんでくださいね」

というなんとも嬉しいお言葉が
園内を歩きながら様々な品種を見て聞いて、そして食べ比べることが出来ました。

 

ここ善盛園さんでは20種類以上のさくらんぼがあります。
佐藤錦や南陽などのメジャーな品種なら知っていますが、見たことも聞いたこともない品種に出会えるのが果樹園の魅力ですね。



その中でも絶対に味わって欲しいのがこの『ごんべえ』というさくらんぼ

これは浜益区の在来種で、「幻のさくらんぼ」と言われています。
皮がうすく実が柔らかいので流通することが出来ないのです。

善盛園さんの直売所でなら購入可能ですので、味わいたい方は是非浜益まで

ちなみに『ごんべえ』という名前は正式な品種名ではありません。
品種登録がされていないさくらんぼなので、『名無しのごんべえ』から取ってそう呼んでいるんだそうです。

もちろん、その他のさくらんぼもとっても魅力的。



お店でさくらんぼを選ぶ際に、色で選んでいませんか

この写真で分かる通り、品種によって色が全然違います。
月山錦や大紫、サミットなんかは「さくらんぼは赤い」という概念すら覆してますからね

その品種ごとに「最高の色」があるそうです。
こんなにたくさんの種類があるので全部覚えるのは大変ですが、ひとまずいつもお店で見ている品種の最高の色を見つけるといいかもしれませんね。



さくらんぼ狩りで美味しいさくらんぼを食べようと思ったら、葉の緑が濃く元気な木の日当たりのいい枝を選ぶことと教わりました。

……が、脚立なしではそんな高いところのさくらんぼには手が届きません。
（さくらんぼ狩りの若い男性のお客さんが、まさに脚立に上って取っていました！素晴らしい！）

「いちばん美味しいさくらんぼは、カラスに食べられちゃってるんでしょうねぇ……」

ちょっと悔しいけれど、カラスは賢いのできっと美味しい実を見分けてるのかもしれませんね



 

善盛園さんは12,000坪もある広大なさくらんぼ園です。
さくらんぼの木は以前は1,500本ほどあったそうですが、最近は少し減って1,200～1,300本だそうです。
少なくなったとはいえ、それでもたいそうな数ですよね。

それをなんと渡辺さんがほぼ1人で管理しているとのこと

 

人間と同じようにさくらんぼの木にも「相性」があるそうで、植え方にもこだわっているそうです。
渡辺さんは植えている場所や品種、防除の日付などをエクセルで表を作って管理していました。
その表を見せてもらったのですが、あまりの細かさに驚きです。



自然に囲まれた場所なので小動物がいっぱい来るので、木は厳重に守られています。
ねずみ、うさぎ、鹿から木を守り、育った実はカラスに食べられ（これは防ぎようがないですもんね）、物を育てるのは大変だ、と言いつつも笑う渡辺さん。

これだけ広い果樹園を管理するのはかなり大変なはずなのに、渡辺さんはとても穏やかで「なぜ？」と疑問がわきます。



最後に、善盛園のご神木の杏の木を見せていただきました。

樹齢138年の佇まいは、まさに神秘的。
思わず息をのんでしまいます。
春先には薄桃色の花を咲かせ、香りよく甘い実を実らせるそうです。

この木を見つめ、

「先代の遺してくれたものを大事にしたいです」

と目を細める渡辺さん。
その言葉が、先ほど感じた疑問の答えなんでしょう

とても素敵なことですね



最後は、直売所に立ち寄りました。
つやつやに輝くさくらんぼが売られていました。

 

並べるたびに売れていくので、商品を用意するのも大変そうでした……。

 

直売所ではさくらんぼだけではなく、善盛園さんでとれた果物の加工品もあります。
フルーツはそのまま食べても美味しいし、加工しても美味しいですよね

今日はさくらんぼについての学習だけではなく、とても大切なことを学べた気がします。
渡辺さん、本日はお忙しい中本当にありがとうございました

長かった1日も、あっという間に終わってしまいました。
大人の遠足も終了です。

次回は8月20日（木）、にんじん講座となります。
よろしくお願いいたします

• 2015/07/16　20:51
• 第三期生
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